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【セミナー動画を限定公開】スタートアップ・中小企業が大きく育つように
 ~「NEDOベンチャー支援策活用セミナー」~

2023年10月12日

公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構は、2023年7月10日(月)、福島県南相馬市の福島ロボットテストフィールドで、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)から講師をお招きして、「NEDOベンチャー支援策活用セミナー」を開催しました。イノベ地域を中心とする県内のスタートアップ企業ならびに企業等が事業化や技術開発を加速するうえで、有用と思われる政府の各種支援策について、NEDOが運営している支援策を中心に最新情報を紹介いただきました。

「浜通りに立地する多くの方々にとって、利便性が高く、頼りになる支援策」

セミナーは、福島イノベ機構の蘆田和也事務局長が、「今日は、浜通り地域に立地する多くの方々に有用と思われる政府系の支援策について、NEDOのご担当者から紹介をいただきます。多くの技術開発と関連性が高いNEDOによる省エネ関連技術の支援策と、国がベンチャー支援のために、従来とはケタ違いの基金を用意して始めた支援策についてです。いずれも、利便性が高く、頼りになる支援策です」と挨拶し、2人の講師による講演が行われました。

公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構事務局長 蘆田 和也

「2040年度までに高い省エネルギー効果」を実現するための幅広い技術に対する支援策

最初のセッションである、NEDO省エネルギー部主査の出脇将行氏による「NEDO省エネPGと事例紹介」と題する講演では、「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー時代の研究開発・社会実装プログラム」について、詳細にご説明をいただきました。

このプログラムは、政府が策定した「省エネルギー技術戦略」で掲げる「重要技術」を中心に、2040年度までに高い省エネルギー効果が見込まれる技術開発を支援するものです。また、省エネルギー型経済社会の構築及び産業競争力の強化も目指します。プログラムの概要は下表のとおりです。

出脇主査によると、このプログラムは、中小・スタートアップ企業については選考時に加点措置が講じられることから、中小・スタートアップ企業からの応募割合が54%(2021~2022年度)と過半数を占めており、イノベ地域で事業を興そうと考える事業者にとっても使ってもらいやすい支援策とのことです。

事業助成の採択倍率は約2倍(2021年度から2023年度の実績値)。事業性を検討するFS(フィージビリティ・スタディ)、インキュベーション研究開発、実用化開発といったフェーズごとに1件あたりの研究開発費助成率と上限額が定められています。最大で研究開発費の4分の3を助成し、各フェーズの助成を組み合わせれば、最長で10年間まで支援を受けることも可能とのことです。

NEDO省エネルギー部 主査 出脇 将行 氏

出脇主査からは、「いきなり提案書を提出するのではなく、NEDOでは事前相談を受け付けているので、省エネ効果量の計算法などについて相談してみることが非常に重要です。オンラインでの相談も受け付けています」とのアドバイスがありました。対象となる助成の種類や助成額など、公募のスキームや詳細についてはNEDOのページ(以下URL)をご参照ください。
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP_100197.html

ディープテック・スタートアップ向けの支援事業

続いて、NEDOイノベーション推進部長 吉田剛氏による、「NEDOイノベ部の取組み紹介」と題する講演が行われました。吉田部長からは主に、政府の「スタートアップ育成支援5か年計画」で組まれた補正予算の基金でNEDOが運営する「ディープテック・スタートアップ支援事業」(略称DTSU)についてご紹介をいただきました。

NEDOイノベーション推進部長 吉田 剛 氏

DTSUの支援対象は、ディープテックによって、社会課題を解決し、社会に根付く製品やサービスを提供する、スタートアップによる事業です。短期間で開発・事業化して、海外展開なども含めて早期に事業規模を拡大していく意欲のある事業者をターゲットとして想定しているとのことです。また、ビジネスの確からしさを担保するため、NEDOとは別に、ベンチャーキャピタルやコーポレートベンチャーキャピタル、事業会社などが適切な体制を構築し支援を行うことが見込まれることを支援の条件としています。

※特定の自然科学分野での研究を通じて得られた科学的な発見に基づく技術であり、その事業化・社会実装を実現できれば、国や世界全体で解決すべき社会課題の解決など社会にインパクトを与えられるような潜在力のある技術

一般的に、スタートアップにおいては、有用な技術があっても、研究開発や商品化・量産化に必要な資金の不足を補うために、年度ごとに異なる補助金を細切れに獲得することに労力を割かざるを得ず、早期の事業化や規模拡大が難しくなっているとの指摘があります。そこで、DTSUでは、資金が必要な初期段階に、事業者が従来よりも多い額の資金支援を受け、助走期間を早期に終わらせて事業を軌道に乗せられるよう、補助金の枠組みが工夫されているとのことでした。DTSUの概要は下表のとおりです。

講演では、応募要件のほか、審査のポイントに加え、DTSUを含めた政府が取り組んでいる各種の支援制度などについて詳細に情報を提供していただきました。講演後は講師と参加者の皆さまが名刺交換をしながら、浜通りにおける技術開発のあり方について熱心に意見を交わす姿が見られました。

講演後の名刺交換会の様子

吉田部長から、メッセージをお預かりしました。「私たちNEDOは、福島の復興に対して強い思い入れを持っています。DTSUは今年度で終わりではなく、2027年度まで継続される息の長い支援制度です。長期にわたって新規申請者への門戸が開かれていますので、自分たちの技術で、浜通りから社会課題を解決したいとお考えになっている事業者の皆さまのご応募をお待ちしています。また、NEDOは政府系スタートアップ支援の窓口としてワンストップ対応を行っていますし、ビジネスのマッチング支援も実施しております。ぜひご活用ください。」

YouTube限定公開について

当日のセミナーの模様は福島イノベ機構YouTubeチャンネルにて限定公開しています。動画の収録時間は約90分間です。視聴ご希望の方は、タイトルに「NEDOセミナー視聴希望」とご記入いただき、以下の情報をevent-sangyou@fipo.or.jpまでお送りください。折り返し、視聴URLをメールにて返送します。

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詳細はこちら.
https://www.fipo.or.jp/news/25267