※終了しました※企画展イベント・被災地フィールドワーク
企画展「モノが語る原子力災害」の関連イベント「被災地フィールドワーク」を8/6(日)、8/19(土)に行いました。 当館学芸員や双葉町の「ふたばプロジェクト」職員がバスに同乗し、解説しながら伝承館周辺を巡ります。東日本大震災の津波で数メートルずれた道路、震災遺構の浪江町立請戸小学校、東京電力福島第一原発事故に伴う長期避難の影響が分かる双葉町の双葉駅周辺や双葉南小学校を訪れます。
8/6(日)の回に北海道から1人で参加した高校2年生は誕生日が3月11日。防災に関心があり、映画やさまざまな資料で震災と原発事故について学んできました。フィールドワークを終え、「津波で流された沿岸部、児童のいない学校、ひと気のない街…。映画で見た信じられない光景が本当にあり、現地に来ることに意味がありました」と話していました。
訪問先を紹介します。
【津波でずれた道路】
伝承館近くに整備が進む復興祈念公園の見晴台で降り、東日本大震災の津波で数メートルずれた道路を訪れます。オレンジ色のセンターラインが約3.5メートルずれており、2本に分かれて見えます。隆起したアスファルトから雑草が生えていました。学芸員が付近で収集したボロボロの衣類や食器などの津波漂着物を紹介し、震災で奪われた日常を解説します。
【震災遺構 浪江町立請戸小学校】
東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた震災遺構 浪江町立請戸小学校を見学します。「自分の母校がもしこうなったら…」と言葉を失う参加者もいました。 請戸漁港周辺や、津波で立ち枯れた木を車窓から眺めることができます。
【双葉町、JR双葉駅周辺、消防団屯所など】
双葉町は「ふたばプロジェクト」 の職員さんに案内していただきます。双葉駅周辺は長期避難で建物解体が進み、日々、街並みの様子が変わるといいます。その中で、震災当時の消防団屯所が残ります。写真左下のシャッターが壊れています。東日本大震災の地震により、普段は便利な電動のシャッターが開かず、中から消防車で破って出動したそうです。
【双葉南小学校】
双葉町の双葉南小学校では東日本大震災当時、児童が上履きで避難し、下足が校内に残っています。原発事故が起き、靴を取りに戻れなかったためです。避難の長期化で草木が繁殖し、階段の先にあるはずの校庭は見えませんでした。
2回目(8月19日)に訪れた際は、校庭に続く階段が通行できるようになっていました。