ペトラ駐日ドイツ大使が来館されました

ペトラ・ジグムント駐日ドイツ大使が11月16日、当館を見学されました。

東京電力福島第一原発や、津波で甚大な被害を受けた浪江町請戸地区の視察後に来館していただきました。

 ペトラ大使は、案内を務めた清水副館長の説明に耳を傾け、一つ一つの展示に時間をかけ、熱心に見学されました。除染土壌等を保管する中間貯蔵施設の詳細など、地震、津波、原発事故という複合災害の被災後の福島を理解しようと、多くの質問を投げ掛けていただきました。

 また、震災と原発事故で被災した当館職員と語り部の計3名と懇談しました。自宅が津波で流され、住居の建築が制限されているため故郷に戻ることができないことや、原発事故で住民がばらばらに避難したため、地域の共同体が壊れてしまった現状などについて理解を深められました。被災した方のこれまでの苦労を我がことのように感じていただき、語り部の気持ちの変化などを聞き取り、慰めの言葉をかけておられました。

 ペトラ大使は懇談後、「福島を実際に訪れてみて、美しく素晴らしい場所だと感じました。しかし、『福島=複合災害』とイメージされてしまうのは残念です。復興に向けた歩みなど、福島の新たなビジョンを伝えるお手伝いをしたいです」と語りました。そのうえで、「起きたことを忘れてはなりません。伝承館の存在は非常に重要で、震災と原子力災害で何が起きたかが分かりやすく展示してあります。また、語り部の体験談を聴けるのは素晴らしいことです。体験した皆さんの言葉だからこそ、地震と津波の教訓、コミュニティの大切さ、今を生きる素晴らしさが伝わってきます」と話していただきました。