映画監督・今泉力哉さんを招き「対話福島」開催

伝承館研究事業「対話福島」が12月7、8の両日、当館で開かれています。

初日は福島県出身の映画監督・今泉力哉さんと開沼博上級研究員が「記す」をテーマに対談しました。

今泉監督は「震災を忘れてはいけないけど、『いつかは思い出せる』のが大事で、生きる罪悪感につながらないよう、忘れることも大事。伝承館は思い出すきっかけになり、経験してない人にも伝えられる」と話しました。

今泉監督の言葉の多くが印象的でした。一部を紹介します。

・映画を撮る上で、観終えた人が自分とのギャップに苦しむような「主人公が成長する物語」は描かない。何もしないわけではなくて、必死にやっても、何をやってもうまくいかない。あがき、気まずさの中におかしさが生まれる。

・監督として心がけているのは「緊張感」と「俳優が生き生きと見えること」。

・映画は「孤独やさみしさ」との距離が近く、自分が大事にしている感覚と親和性が高い。

・ショート動画、倍速視聴などが流行している中で、映画の隙間も豊かさ。観客が今泉監督の映画を見ているときに一瞬、自分の日々を考えてしまうような「隙間」をつくりたい。

8日(日)は参加者と今泉監督、開沼上級研究員が「対話」します。