最近の企業参入例 株式会社イージープランニング
最近の企業参入例
株式会社イージープランニング
大熊町で「自然共生型農業」を追求、高品質のショウガなどを生産
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社名 | 株式会社イージープラニング |
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業種 | 農林水産事業、食品製造・販売事業、有機資源リサイクル事業 |
代表 | 郡司善夫さん |
所在地 | 福島県いわき市 |
法人設立 | 2016年12月 |
従業員数 | 3名 |
資本金 | 940万円 |
生産科目 | ショウガ、サツマイモ、水稲 |
郡司善夫さん プロフィール
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1961年いわき市生まれ。いわき短期大学商経科卒。地元のシステム企業に就職し、長年トータリゼーター(公営競技の投票券の発売・払戻等を管理するシステム)の開発・メンテナンスに携わる。東日本大震災を経て、自然界のあらゆるものの循環で成り立つ環境システムへの関心が高まり、2016年にイージープランニングを設立。再エネのプロデュースや有機物を使った肥料等の研究を行なううち、同じ志を持つ農業者と出会い、2022年大熊町にて農業に参入。
環境への関心から農業に参入
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農地所有適格法人として大熊町でショウガ、水稲、サツマイモを生産する株式会社イージープランニング。その特徴は、農薬や化学肥料を使わず、健全な土壌から高品質で栄養価の高い農作物をつくる「自然共生型」の農業を追求していることです。ショウガの加工品開発や農福連携を進めるほか、ITを活用したスマート農業にも取り組み、将来は農業を通じた交流人口の拡大も目指しています。
■ 12市町村における農業参入状況
参入場所 | 大熊町 |
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参入年月 | 2022年4月 |
参入規模・栽培品目 | ショウガ(2.0ha)、サツマイモ(2.4ha)、水稲(0.4ha) |
無農薬の土地でスタート
「もともと環境問題に関心があったことから、有機物を利用し、植物本来の力を引き出す自然共生型の栽培を目指して農業に参入しました。大熊町を選んだ大きな理由は、農地除染により土壌が無農薬の状態になっていたからです。また、1か所にまとめて広い農地を借りられたことや、水源に近く、豊富な水に恵まれていることも魅力でした」
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自慢のショウガは飲料にも
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「栽培品目は、さまざまな加工品に利用できて6次化しやすいショウガがメインです。『大熊ショウガ』として道の駅などで販売するほか、『始まりはスプーン1杯の酵素から』という酵素飲料に加工しています。その原料はショウガと甜菜糖のみ。ショウガは漢方薬にも使われるほど高い効能があり、それを生かして商品化しました」
生姜酵素はlinkる大熊のコンビニで販売しています。
インターネット販売のURLは、https://tashirofarm.net/
人手不足には農福連携も活用
「福島県相双復興機構より広野町の社会福祉法人友愛会ワークセンターさくらさんを紹介いただき、収穫したショウガの洗浄作業をお願いしています。人手が不足しているのでとてもありがたく、これからもいろいろな形で協力していければいいですね。ショウガは30トンを目指して増産予定なので、一緒に新しい加工品開発にも挑戦したいと考えています」
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交流人口拡大にも貢献
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「カメラやセンサーで農地の状態に関するデータを収集し、生産に活用するスマート農業に取り組んでいます。また、農業で排出されるCO2を有機質の資材を使うことで地中に貯蔵できるため、そのエビデンスも収集しているところです。県の機関や大熊町のみなさんのご協力により、自然共生型農業をここに定着させ、情報発信やイベントなどを通じて交流人口の拡大にも貢献したいと思います」
(2024年2月取材)