【活動報告】令和年6度「スタートアップ創出事業 スタートアップツアー」第1回ツアーを開催しました

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福島イノベ機構では、7月26日(金)~27日(土)、1泊2日で「ロボット・ドローン、農林水産業」をテーマとした令和6年度第1回スタートアップツアーを15名の参加者と共に開催いたしました。

 

様々な先進企業、研究施設の訪問に加え、スタートアップを支援する地域の機関やコミュニティーの方々のお話も伺うことができました。参加者から、「歴史や地域に根付いた事業構築に感銘を受けた」「イノベ地域を事業所候補地として検討していきたい」といったお声を頂きました。

 

以下、ツアーの様子を写真とともに簡単にご紹介いたします。

【第1回スタートアップツアーの様子】

(1日目)

■福島ロボットテストフィールド/南相馬市

インフラや災害現場などの実際の使用環境を再現している世界でも類を見ない実証環境を有する福島ロボットテストフィールドを紹介し、ドローン・ロボット研究開発・運用者の交流促進、技術向上に向けた活動について話を伺った。また、南相馬市役所からは、南相馬市の魅力やスタートアップへの支援制度についてご説明を頂いた。

南相馬市のご紹介や支援制度のご説明
屋上より実証実験フィールドを見学

 

■福島高度集成材製造センター(FLAM)/浪江町

一部の行程は自動運転となっている国内最大級の集成材製造センターを見学し広大さを実感した。2025年の大阪・関西万博のリング型大屋根で使用される集成材を製造し納品した事を伺った。(万博が終了後、再活用されるとのこと)

FLAMの製造工程の動画を視聴
広大な工場の見学

 

■株式会社菊池製作所 南相馬工場/南相馬市

 南相馬工場の主力製品であるドローンやマッスルスーツの実機での説明を受け、x試着を行った。また、支援先のベンチャー企業「イームズ・ロボティクス株式会社」のドローンの説明を聞き、開発、試作、評価、量産に至るまでトータルでベンチャーを支援する体制について伺った。

ドローン実証実験の活用方法の説明
マッスルスーツの試着体験

 

■Odaka Pioneer Village/南相馬市

 避難指示区域であった小高区に、「地域の100の課題から100のビジネスを創出する」というスローガンを掲げ、歴史や地域に根付いた事業をゼロベースから創出し、新しいコミュニティーを生み出し、事業を創出する仲間や働き手を増やしていくなどの歩みや今後の取り組みについてお話を伺った。

和田代表理事によるご講演
真剣に聴講する参加者

 

■株式会社haccoba/南相馬市

 「酒づくりをもっと自由に」をコンセプトに、ジャンルの垣根を超えた自由な酒づくりを行う酒造にて夕食を兼ねた懇親会を開催しました。新作をオンラインで販売すれば5分で完売してしまうほどの人気。クラフト酒と合わせる美味しい食事をいただきながら、参加者同士交流を深めました。

haccobaの今後のチャレンジのお話
参加者同士の交流

 

(2日目)

■株式会社ライスレジン(旧バイオマスレジン福島)/浪江町

 お米を使ったバイオマスプラスチックを製造し、LEGOブロック、食器や子供のおもちゃ、フジロックフェスティバルのごみ袋や各市町村のリサイクル・レジ袋などのプラスチック製品に使用することで周辺地域の耕作放棄地を蘇らせるとともに、地球環境問題にも貢献しているとのお話しを伺った

ライスレジンの製造についての講義
非食用米の再生工場を見学

 

■請戸漁港/浪江町

 東日本大震災の津波で甚大な被害を受けたが復旧工事が完了、2020年4月に水揚げ・競りが再開された。近年は「請戸もの」のPRも力を入れ始めている。

震災後、堤防・消波ブロック・防災林が設置された
津波によって沢山のものが流された

 

■請戸小学校/浪江町

 東日本大震災時の津波により1階部分が完全に流されたながら全員が無事に高台避難したエピソードで有名な請戸小学校の校舎がそのまま震災遺構とされた。

津波が押し寄せた高さを示す青い目印
津波の勢いで壁や床がはがされた跡

 

■かもめミライ水産株式会社/浪江町

「閉鎖循環式陸上養殖」という人工的な環境下で魚の養殖を行う。高度な水処理技術によって水槽内の水を循環させながら、浄化し再利用する。2024年サバの陸上養殖システムが完成。陸上養殖のサバはアニキサスがなく生食(さしみ)できる。

 

水を捨てずに循環させるシステム
サバは大変デリケートで外からそっと見学

■ナミエシンカ/浪江町

隈研吾氏がデザインしたトレーラーハウスを活用したコワーキングスペース。 駅の真ん前という便利なロケーションにもかかわらず、登録をすれば誰でも無料で利用可能。

駅前コワーキングスペース
ナミエシンカHPより

F-REI(福島国際研究教育機構)/浪江町

福島・東北の復興とともに、日本の科学技術力・産業競争力を牽引する「創造的復興の中核地点」を目指し、①ロボット ②農林水産業 ③エネルギー ④放射線科学・創薬医療、放射線の産業利用 ⑤原子力災害に関するデータや知見の集積・発信の5分野で研究を行う。現在は準備期間のため他の地域に分散して研究している。

農林水産業の研究についての説明
参加者の質問が相次いだ

■株式会社Refruits/大熊町

  震災前に大熊町で栽培されたキウイフルーツの耕法を先人に学びながら、大熊町のキウイフルーツ復活にチャレンジしているお二人。逆境から再生への挑戦。

大熊町でキウイ栽培を選んだいきさつ
キウイ畑にて説明を伺う

 

【参加者の声】

 一日半と短いツアーでしたが、参加された皆さんから頂いた声の一部を紹介させていただきます。

 

 ●他の参加者の方と交流の機会を持てて、とてもよい時間を過ごすことができた。

 ●全体を通して密度が非常に濃く、勉強になりました。また伺いたいと思えるような場所が多く有意義な時間でした。

 ●イノベ地域での様々なチャレンジについて詳しく知ることができるとともに、なぜそこでチャレンジが起こっているの 
   か聞いたり考えたりすることができた。

 ●拠点としてとても素敵な場所だと感じました。経済合理性だけではない文化や地域への思いに触れて、とてもよかった
   です。
 ●東北に拠点を作りたいなという気持ちは元々あったので、より農地に直結する事業を成長させた後に候補地として考え
   たい。

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【お知らせ】
 第2回スタートアップツアーを「エネルギー・環境・リサイクル、廃炉」分野で令和6年9月27日(金)~9月28日(土)に開催いたします。
 私たちと一緒にイノベ地域を巡ってみませんか?

 現在、絶賛募集中ですので、是非こちらのURL からお申込みください。→https://www.fipo.or.jp/news/32015
 募集期間:令和6年8月5日(月)~令和6年9月8日(日)締切り

 

【お問い合わせ先】

(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構

    産業集積部 事業創出支援課

    電話024-581-7045
メール:Startup-tour@fipo.or.jp