企業紹介記事

株式会社テラ・ラボ

『福島から世界へ』

〜災害対策における長距離無人航空機の実用化を目指す〜

「無人航空機でイノベーションを起こす」

代表取締役

松浦孝英さん

貴社の事業について教えてください

長距離無人航空機を開発しており、現在は、機体の開発に加えて、その運用に関わる地上支援システムの構築にも取り組んでいます。特に、我々は長距離無人航空機で得られる空間情報の解析を専門としていますので、こうした技術を災害対策などで応用できるようにするというビジョンを持って開発を進めています。もともとは公共政策を専門にしていたので、防災分野全般に関心があり研究を進めてきました。現在、大規模災害発災時には、衛星や航空機、最近では小型の無人航空機を活用することが多くなっていますが、そのような中、我々は長距離無人航空機をどのように使っていくか、ということを研究開発テーマにしています。固定翼型の無人航空機は、開発の仕方によっては長距離・長時間のフライトが可能となります。長距離・長時間・高高度の飛行ができる無人航空機が完成すれば、衛星や航空機では難しいとされていた局所的な調査やオンデマンドの調査が可能になり、これらが今まで成し遂げられなかった新たな分野での活用が模索できると考えています。

福島に来たきっかけを教えてください

長距離無人航空機の開発にあたって、最も重要なのは滑走路とそれに併設する施設が挙げられます。そのような施設がないと開発がなかなか進みません。そうした環境は、日本国内だけでなく世界的に見てもほとんど整っていません。2019年に福島ロボットテストフィールドができるという話を聞きつけて、真っ先に南相馬市に足を運んで現地を見ました。「ここに研究棟が建ち、滑走路ができて、格納庫ができて…」という話を聞くにつれて、我々の拠点はここに置くしかないという確信を持ちました。福島ロボットテストフィールドに来たことによって、自分たちが成功する、もしくは成功のスピードが早くなるという感じがしています。
この土地に最初に足を踏み入れた段階からずっとワクワクしっぱなしです。私は勝手に「福島ドリーム」と言っていますが、全国のどこでも得られないだけのサポートが受けられると思っています。この福島ロボットテストフィールドの周辺にはとても有能な技術者の方々がいます。地場の企業にどのようなノウハウがあってどんな技術を持っていて、そしてその人たちと何を連携したらどのようなイノベーションが起こるかということをイメージしながら日々活動しています。

今後の課題を教えてください

長距離無人航空機、特に固定翼の開発で今最もチャレンジしなければいけないのは、有人飛行機の航空領域における共存をどのように図るかが課題です。社会実装に向けて、より安全に・よりリスクの少ない運用をしていかなければいけないと考えており、その解決に向けた研究開発を進めています。また、今後、我々が本社を構える中部地区を始めとした西日本沿岸に大規模な被害を及ぼすとされる南海トラフ巨大地震が起こるということを考えると、この福島で起きた東日本大震災から我々が学ぶことが多くあると考えています。特に、甚大な被害となった大津波の時にもし長距離無人航空機があったらどのような運用ができたかということを想定することは、ここ福島でなければできません。このプロジェクトは福島から発信すべきだと感じています。

株式会社テラ・ラボ

所在地 本社
〒487-0023 愛知県春日井市不二ガ丘3丁目28番地
ウェブサイト http://terra-labo.jp